ご依頼主さまからのオーダーは、「服飾のアトリエとわかるような建物にしたい」「ただし建て替えではなく、元の建物をできるだけ活かしたい」の2点。
そこで、建物の一部を解体して駐車場にした以外、屋根や柱、梁は、基本的にそのまま使用。外壁は、既存の壁材の上に鋼板を貼るという手法をとって雰囲気を変えたほか、内装もすべて一新することで、まるで新築のような見た目を実現した。
さらに、設計士も交えて打合せを行い、建物入口部分を、服飾のアトリエであることをシンボリックに表現する、はさみの刃をイメージしたデザインにすることをご提案した。

正門前にある学校のシンボルツリー、１本の桜の木を絶対に枯らさないようにとの強いご要望があった。
そのため、専用の仮囲いを設置して水やり以外の人員の立入を禁止したり、旧校舎解体工事・新築基礎工事の際、近い場所を掘削するときには木の根を傷つけないよう慎重に掘り進めるなど細心の注意を払いながら施工。結果的に竣工引き渡しの際には、桜の開花を見ることができた。
また、近隣には古い住宅が多く、振動騒音計の設置や家屋調査の実施等、工事の振動・騒音対策も市指導のもと行った。
近隣からの細かな問い合わせに対しては、工事に関すること以外にも真摯に対応した結果、近隣のみなさまと良好な関係を築くことができ、大きなクレームもなく工事を完了できた。